難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を20年にわたって撮影し続けた写真家、渡邉肇様がお友達のご主人というきっかけもあり写真展へ伺ってきました。

「Face・ALS~生きる勇気~」

「生きる勇気」をテーマにした写真展では、ALSと向き合う方々の覚悟に満ちた眼差しが、私の心にまっすぐ刺さりました。

展示されていた写真から感じたのは、自分ではどうすることもできない苦しみや辛さを抱えながらも、「家族のためにも生きる」という強い意志。
その姿に、私自身が母の介護をしていた頃の思いが重なりました。
私の母も要介護5で、排泄や水を飲むことも家族や看護師の助けを必要としていました。母の中には、自分のためなら諦めてしまう気持ちもあったと思います。でも、それでも「家族のために懸命に生きぬく」という思いを持っていたと感じます。
家族としては、どんな状況でも「生きていてほしい」と願う気持ちがあります。しかし、同時に、本人が抱える苦しさや限界にも寄り添いたい。そんな葛藤も、今回の写真展を通じて改めて考えさせられました。
私は今、延命治療意思表示カードをお財布に入れています。

それは、自分の命についての願い、自分らしい最期を迎えられるようにという思いからです。
「生きる勇気」とは何なのか。
この写真展は、そんな問いを私たちに投げかけてくれます。ぜひ、一度足を運んで、命や生きることについて考えるきっかけになれたらと思います。